京都成章高等学校

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セカンドキャンパス 高見塾長の高校探訪
R3京都成章高等学校

阪急の桂駅から、さらにバスに乗って約20分、亀岡との市境に近い沓掛というところにあるのが京都成章高校です。最近当塾もご縁ができてはいますが、左京区から通うのは覚悟がいる学校です。そんな京都成章高校ですが、昨年秋に続いて激震の説明会がある、という事前情報が入り、何はおいても聞いてこなければと行って参りました。
もともと「不夜城」といわれ、完全下校時刻を設けずにとことん学校に残って勉強してもらうという触れ込みの学校でしたが、昨年、一転して5時半に完全下校にすると発表。
成章のイメージを大きく変える決定が受験生に受け入れられなかったのか、新入生の数が激減してクラス数も大幅減という結果になりました。

このままではいけないと、すべてを元に戻して学校を立て直すことが決定。従来通り夜遅くまで勉強できる学校として再出発するとのことで、校長の吉竹先生によるお詫びと経緯説明がメインの説明会でした。
折しも20時以降の活動自粛が求められ ているタイミングで間の悪い話ではありますが、受験生数という動かぬデータを前にしては、生徒の希望に寄り添った決定であることは確かです。

昨年、当KYOTO STUDYの記事にて紹介した「成章の激変」 は、ここに180度元に戻るという結末をみたことになります。

このご時世で、生徒を遅くまで学校で勉強させるというのは運営側にも覚悟がいります。早く帰してオンラインで面倒みるほうが安全でローコストなのは間違いないでしよう。
それでも、同じ空間で夜9時や10 時まで先生や仲間と一緒に勉強することで生まれる空気や絆には、代替のきかないものがあります。それは塾をやっていたら切実にわかることです。そういうものを学校に求める子供たち、そして働き方改革に逆行してでもそれに寄り添おうとする先生方がいるのが成章という学校なのだな、というのが改めて実感したことです。

校内に長時間いても居心地がいい場所にする、様々なスタイルで自由に勉強できる空間をつくるために、空き教室をどんどん改造しているそうです。
今年度、生徒数が激減して教室が空いたからできること、だと言う吉竹校長。私学にとって何より痛いはずの生徒数減でさえもプラスの方向に変えてしまう、際限ない前向きさが伝わってきます。コロナの制約下でもできることを模索する。僕自身も学ばせてもらいました。

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