R3京都翔英高等学校

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セカンドキャンパス 高見塾長の高校探訪
R3京都翔英高等学校

京都翔英高校は、宇治市にある私立高校です。当塾からはまだ直接生徒さんを送り出したことはないんですが、毎年担当の先生がわざわざお越しくださっていて大変お世話になっている学校です。

先日、学校にて説明会が行われましたので、行って参りました。
宇治ですから距離はあるものの、駅の近くなので左京区の当塾付近なら京阪電車で便利に通えます。ですが、ご案内の通りコロナ禍このかた僕のなかで自転車熱が高まっておりますので、あえて自転車で繰り出すことにしました。

鴨川沿いに下り、伏見稲荷の鳥居の前を横切って街道をさらに下り、24号線に出て観月橋を越えてさらにひたすら下る、わりと定番のルートで宇治に入ります。2時間とみて出発したんですが、1時間半くらいで着きました。

観月橋や宇治橋といった絶景スポットを自転車で走り抜ける、じつに贅沢な時間ではあります。ただ毎日となるとさすがにしんどいですかね。左京区から通うなら普通に京阪電車をお薦めします。便利ですのでね。

京都翔英高校の大きな特色が、不登校経験者に特化した「FAクラス」です。専用の校舎があったり登校時間が遅めに設定されていたり配慮された環境のなかで、集団に入ってお互いを支える経験を重ね、自分に自信が持てるように変わっていきます。この日、生徒さんが司会進行やクラス紹介スピーチをされていました。

あまりに堂々としたその姿は本当に驚きです。当塾の教室に貼ってあるポスターにはFAクラスの生徒さん達の写真が載っているのですが、その生き生きとした表情からは、学校に行けなくて悩んでいた子だとはとても信じられません。僕は、不登校があかんとは全然思ってないんですが、ここまで変われる環境をどうやって作っているのか、すごいの一言です。

進路面でも結果を出しています。何年か前、地元・修学院中からこのクラスに進み、ものすごく勉
強を頑張って関関同立の入試を総ナメした子がいたそうです。中学校生活がうまくいかなかった子達に何十年も本気で向き合ってきた学校だからこそと感じます。

なお、今後は不登校経験者に加えて、不登校ではないが中学校で勧められた人も FA クラスで受け入れるとのことです。

京都翔英高校の新たな取り組みとして、国際文化クラス「CBE系」があります。少人数で常にネイティブの先生がそばにいる環境と豊富な英語の授業。実際に生徒さん達が登場してのスピーチがありました。

生徒さんが英語で話し、それを隣でネイティブの先生が日本語に直して伝える、ちょっと変わった発表です。

その後、参加者から生徒さんたちに直接質問できる時間がありました。僕は小心者な
ので、こういう時に手を挙げて質問とか実は苦手なんですが、せっかくなので質問してみることにしました。

英語系コースにつきものの海外研修とか留学の話がなかったので、そのことを聞くつもりでしたが、きっとコロナで行けてないんだろうしそれを生徒さんに聞くのは酷かな、ととっさに思い「身につけた英語を使って将来やりたいことや夢があれば教えて下さい。」という質問にしまし
た。

すると、一人の生徒さんが目を輝かせて「ガイドになって旅行者の方々に日本や京都の文化を伝えたいです。」と答えてくれたあと、補足説明としてなんと副校長先生が登場され「日本には今や海外から多くの方が来られています。CBE系のもともとの思いは、そうした方々に接し
て日本の魅力を語れる人を育てることです。英語力を活かすのに、必ずしも海外に行く必要はないんです」と説明してくださいました。

そう考えてみると確かに、英語をやるには大金を使って海外に行かねばならないというのは、日本が世界の片田舎だという思い込みにとらわれていたのかなとも感じます。

英語系コースをもつ学校はたくさんありますが、英語イコール海外研修ということでお金のかかるところが多いなか、逆転の発想で新たな視点のクラスだと言えるでしょう。

そのため、担任+ネイティブALTの常駐と週10時間以上の英語学習ということで、もちろん英語はしっかりやるんですが、宇治の名所をめぐったり着付けを学んだり、日本文化についての素養を高めることもこのクラスの柱になっています。

入学時には特別に英語が得意でなくても、英語や国際交流に興味があれば大丈夫、とのことです。
1時間半ほどでしたが、生徒さん達の声を直接聞く機会もあって、かなり濃密な説明会でした。

満ち足りた思いで自転車にまたがり、宇治から左京区までひたすら上る帰路につきました。

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