京都聖カタリナ高等学校

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セカンドキャンパス 高見塾長の高校探訪
R2京都聖カタリナ高等学校

京都聖カタリナ高校、JRの園部駅から15分ほど歩いてたどり着く学校です。京都市内それも左京区からだとかなりの遠方になるので、知らない人も多いと思いますが、大きな特徴があります。

看護科とそれに続く専攻科をもち、高校入学後5年で看護師として現場に出られる、大学や看護学校に行くよりも早く看護師になれる最短ルートということです。

看護の世界は常に人員不足で食いっぱぐれがない職業だということは以前から変わりませんが、この状況下で、ますます社会の要請が強くなっている分野です。実習や授業の様子を見せて頂ける機会がありましたので、是非ともということで行って参りました。

JR山陰線に乗って、車窓から見える保津峡の絶景をみながらゆった りと、というのが道中の楽しみでもあります。ただし今は電車に乗るのは最小限にしたいということで、自転車で嵯峨嵐山駅まで行って、そこからJR線に乗りました。

片道420円、手前の円町駅からだと510 円なので料金的にもかなりお得感があります。
(高校の通学定期だと月額で190円差なのでそれほどの違いはないかも)一瞬で過ぎていく峡 谷を苦心してカメラに収める間にも電車はいくつかのトンネルを抜け、 亀岡市に入ると、丹波特有の深い霧が広がっています。

混雑していた電車も、亀岡を抜ける頃にはガラガラになるのかな…との予想はみごとに外れ、車内はずっと学生さんたちであふれていて、彼らが一斉に終点園 部駅でホームへ改札へと流れていきました。

僕もその流れに押されるようにして駅を出ます。この園部駅周辺は京都医療科学大や京都美工大と いった大学があり、都会の喧騒からは離れているものの、学生さんたちの若い空気に満ちた場所なのです。30分ほどの電車旅でした。

この日は朝から、秋晴れの好天でした。駅の西口からちょっとした坂 道を越え、田園風景を楽しみながら歩くと学校に着きます。

京都聖カタリナ高校は、中学卒業後5年で看護師になれる看護科は大きな特色なのですが、校長の園田先生がまず一番に強調されたことは「男性看護師」という存在でした。

もちろん、患者さんと精神的一身体的に深く寄り添っていかねばならない看護という仕事は、女性の力に頼る部分が大きいのは確実で、それは今後も変わらないでしょう。

でも、力仕事をはじめ、現場で男性が必要とされることも多く、職場の雰囲気も男性がいると大きく変わるそうです。

男性看護師に対する社会の需要は大きい、誰かのために役に立ちたい気持ちがある中学生は、ぜひ看護の世界に目を向けてほしい!というお話でした。その看護科の実習の様子を見学させていただきました。

理科室のテーブルのような感じで病床が並んだ本格的な実習室で、1年生の生徒さん たちが班に分かれて作業をしています。

最初に教わる基本事項がベッド メイキングで、シワのない清潔で快適なベッドを準備することが患者さんの生命力維持のために不可欠だといいます。

この日のテーマは衣服の着脱介助でした。3人一組で看護師役、患者さん役、観察者を交代で務 め、ジャージを脱がせたり着せたりする練習をします。

普通に暮らしていると日常のなにげない動作ですが、患者さんの体に負担がかからない 工夫、適切な言葉かけ、微妙な体調の変化を感じ取る観察力など、習得すべき多くのポイントがあります。

この学年の看護科の生徒さんは全員女子で、女子ばかりの実習風景でしたが、ここに男子が入って一緒に実習をするとなれば気苦労もあるかも知れません。
でも、校長先生のおっしゃる通り、間違いなく雰囲気に変化が出そうです。

もちろん、仕事は男性も女性も同じです。現在の、そして未来の社会が本当に求めている役割を担おうとする人達です。実習に取り組む生徒さんたちの真剣そのものの表情を見て、何か本当にありがたいものを感じました。

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